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映画 「ファーストマン」 感想ネタバレ:人類初 月に降り立った男ニール・アームストロングの壮絶な人生とは?

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©2018 Bleeding Cool

こんちくわ!Shygonです!
今回は人類初月面着陸を果たしたニール・アームストロング船長の初の伝記映画 

ファーストマン

 を熱く語りたいと思います!

2018年秋に初公開された本作は「ラ・ラ・ランド」で史上最年少でアカデミー監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督の新作です。前作同様俳優のライアン・ゴズリングがニール・アームストロング船長を演じました。 

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あらすじ

ときは1960年代の冷戦時代。

世界中で宇宙開発競争が繰り広げられる中、ソ連が初の有人飛行を成功させるというニュースが飛び込んできたのだ。それに対抗する形で当時のアメリカ大統領ケネディは有人宇宙船を月に送るという前代未聞の計画を打ち出し、その高い倍率の選考会の中、船長に選出された1人の男がいた。彼はやがて様々な試練を乗り越え、人類史上初の偉業を達成することになるのである。名はニール・アームストロング。

彼の感動的な成功秘話の裏には、実は壮絶な家族物語が存在していたのであった。その壮絶な彼の人生を初の映画化。 

 

人類史上初の偉業を成し遂げた男

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©2018 Degital Spy

人類史上初で唯一の有人月面着陸を成し遂げた功績として、亡くなった今でも世界的に尊敬されるニール・アームストロング船長。数々の危険な実験を経て、誰もが認める偉業を成し遂げた彼ですが、実験中に多くの仲間を亡くし、さらに病気で幼い娘までを失った彼の壮絶な人生が初めて実写映画されました。
ケネディ大統領のもと、不可能と言われていた

史上初の有人月面着陸を成し遂げた男は数々の挫折を味わっていたのです。月面着陸を成功させた「アポロ計画」の前世代の「ジェミニ計画」から参加したアームストロングはそこでも活躍を買われ、「アポロ計画」では主戦力として月面着陸に尽力を注ぐことになりました。アポロ1号の発射訓練では想定外の火事は発生し、3人の仲間が死亡するなど、様々な失敗を経験するも前代未聞の計画を成功させた立役者としてのちにアームストロングは人類で初めて月面に降り立った功績を認められ大統領自由勲章を受賞しました。

これは人類にとって

小さな一歩であるが、偉大な飛躍である。

という名言を残し、当時戦争で疲れ切っていたアメリカ国民だけでなく、全世界に勇気と希望を与えました。では実際に監督をした天才デイミアン・チャゼルは彼の感動的で壮絶的な人生をどう描いたのでしょうか?

 

前代未聞の偉業に唯一無二の表現

ここからはネタバレが入ります。
前作「セッション」と「ラ・ラ・ランド」の2本では彼自身の経験をもとに撮られているため、ほぼデイミアンチャゼル監督の実話ということになります。しかし、本作はニール・アームストロングという全く別の人間の伝記映画を撮るため、公開前から注目が集まっていました。さらに、前作2本はどちらも部類に分けると音楽映画になるのですが、本作が1人の宇宙飛行士の映画なので、音楽が題材になるわけではないのです。今までの2作は彼の得意分野でしたが、本作は全く違うのです。彼のいままでやってきたことが全く通用しない本作で、チャゼル監督はどうアームストロングを描いたのでしょうか。

 圧倒的映像美

1人の男を徹底的にカメラが追う
本作の最大の特徴として真っ先に挙げられるのは、カメラワークです。1人の男の話とはいえ、人類の歴史を変えたわけですから、カメラは個人というより総体的にその事柄を描くのが普通です。しかし、本作人類の偉業などそっちのけでニール・アームストロングだけにカメラが常に回っている状態です。宇宙を描く描写でも、映像として美しい映像を映すのではなく、彼が宇宙船から見てる情景をその視点からだけしか描かないのです。

類似している作品として「ゼロ・グラビティ」が挙げられます。永遠と広がった美しい宇宙の大地をロングカットでCGを使い壮大な画を作り上げた「ゼロ・グラビティ」とは全く逆で、そんな綺麗な映像など一切ありません。宇宙船内でのたわいのない会話や、一瞬一瞬の彼の表情の変化までカメラは捉えます。そして、トラブルが発生したとき、宇宙船は制御不能になり、グルグル回り始めるのです。その状況でさえもカメラも一緒にグルグル周り続けます。なので、言い方を変えると、実際にニール・アームストロングが月にいく際に感じたこと体験したことを、この映画はそのまま再現しようとしているということです。

チャゼル監督は本作の特徴について、インタビューでこんなことを言っていました。彼はドキュメンタリースタイルでアームストロング船長が実際に見た情景を再現するように心がけたそうです。普段の撮影では音声やセリフは編集時に後付けするのが普通なのですが、撮影している時の音声やセリフをそのまま使うようにしたようです。つまりよりリアルを映し出すために、ジェミニ8で宇宙を周回するシーンでは実に40ページにも及ぶセリフを舞台のワンシーンのように描いたのです。なので、中には若干船酔いみたくなり、気持ち悪くなる人もいたようです。ですが、それこそが月に多大なる希望を抱いた男の経験そのものなのです。 

 

デイミアン・チャゼルという男の哲学

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©2018 USA Today

そんな人類史においても重要な男ニール・アームストロングの伝記映画を映画化したデイミアン・チャゼル監督に触れたいと思います。本作の前作にあたる2016年に公開された「ラ・ラ・ランド」ではハリウッドで成功を夢にみる男女のラブストーリーを描き、数々の方面で評価され、なんと史上最年少でのアカデミー監督賞を受賞したチャゼル監督の力作です。そして、以前からこの企画の映画化を熱望していた彼の待望の新作です。筆者の中で現代を生きる中でチャゼル監督はハリウッドきっての天才であり、彼にしかできない唯一無二の特徴は本作でも非常に巧妙に描かれていました。

一本の短編を撮り終え、商業映画デビュー初監督をした「セッション」では制作費4億円の低予算映画ながらアカデミー賞3部門受賞を果たし、次作「ラ・ラ・ランド」では史上初の偉業を成し遂げました。そして本作の「ファーストマン」は3作目として公開されました。そんなハリウッドのきっての天才監督には毎作ひとつのテーマをひたすら描き続けているのです。

自らの夢を優先するのであれば、

何かを犠牲にしなければならない。

筆者個人の意見として、彼は彼自身の経験を通して、毎回「夢と犠牲」について描いているのです。

2014年に公開された監督第一作目の「セッション」では自身が音楽の道で食べていくと夢を抱いていた少年時代の辛い経験をもとに熱血教師と生徒について描きました。そこでは本気でプロドラマーになるため最愛の彼女に別れを告げ、音楽の道で生きていく男の覚悟が描かれていました。

2016年に公開された 「ラ・ラ・ランド」ではハリウッドで女優を夢見る若い女性と音楽家を夢見る若い男性の男性の恋愛映画でした。今作もチャゼル監督自身が送った下積み生活の経験を描きました。最後2人は自らの夢を優先するため、別れを告げ自らの夢に尽力を注ぐのです。双方が成功した後に偶然の再開を果たすも、再び2人の関係が始まることはなかったのです。

よくある夢を叶えつつ恋人との関係も上手くいくような部類の映画がありますが、現実はそうではない、と自身の経験から断言しているのがチャゼル監督のメッセージなのです。そして、本作でも共通するメッセージ性が読み取れましたが、実際にどんなメッセージが本作は僕ら観客に向けたのでしょうか。
実は本作「ファーストマン」でも同じようなメッセージが込められているのです。ニール・アームストロング船長自身の話ですが、家族物語でもあります。彼には結婚した奥さんもいるし、子供も2人いるのです。1人娘がいたのですが、病気で幼い頃に亡くなります。月に行くなど、今までの人類の中で誰1人成し遂げたことなどなかったため、当然死にに行くようなものです。実際に中の良かった仲間が不慮の事故で亡くなると毎回のように葬式のシーンが描かれます。本作のひとつの特徴として葬式が何回も出てくるのです。大切な人が横でバタバタ死んでいっても、彼は決して辞めることはしなかったのです。まさに、前作2作での共通のテーマ

夢を叶えるためにはそれに伴う犠牲が伴う。

ということに繋がってくるのです。人類に大きな夢と希望を与え、世界中に活気をもたらしたニールアームストロング船長は紛れもなく人類のヒーローであり、本作はそんな人類にとって唯一のヒーロー映画でもあったのです。

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びぇ!