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映画「大人の見る繪本 生まれてみたけれど」感想:初期頃のサイレント映画 ここから小津安二郎の伝説ははじまった!?

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松竹
こんちくわ!Shygonです!
今回は日本人として絶対知っておかなければならない監督
小津安二郎 
彼の初期の映画作品はあまり現存しているものがあまりありません。その中でも本作「大人の見る繪本生まれて見たけれど」現存している中でも非常に評価が高い作品になっております。
彼の作品は後に世界中から小津調と呼ばれ、尊敬されていました。この作品は初期作品ということもあり、無声映画になっていますが、彼の特徴がはっきり色濃く描かれており、映画の古さを感じさせないものとなっています。
1932年に作られた本作は無声映画です。劇中途中に会話が描かれたカットが差し込まれ、当時の西洋映画の特徴に非常に似ていました。しかし、全部の会話が文字として映し出されるのではないため所々予想しながらみていくことも必要です。
 
ではあらすじからご紹介します。
良一、啓二のお父さんは、重役の岩崎の近くに引っ越して出世のチャンスをうかがっている。だが、兄弟の前では厳格そのもの。引っ越しで転校した兄弟は早速地元の悪ガキグループと喧嘩した揚句、鬱陶しくなって小学校をずる休みするも担任の家庭訪問で知られ、二人は父さんから大目玉。そのうち悪ガキ仲間と友達になり一緒に遊ぶようになる。その中には岩崎の子供もいる。ある日、みんなで「うちの父ちゃんが一番えらい」と自慢する話が出る。兄弟も自分の父親が一番えらいと信じて疑わなかったが、ある日、岩崎の家へ行って見せてもらった16ミリ映画の中で、父は岩崎の前でお世辞を言い、動物のまねまでしてご機嫌伺いをしていた。怒った二人は食事も取らず、またしても学校をサボって抗議する。しかし、その抗議も長続きせず母のとりなしで兄弟は夕食を食べて寝る。父も子供の寝顔を見ながら、家族のためとは言いながら子供を絶望させたことを後悔する。翌朝、いつものように父と兄弟は一緒に家を出る。
あらすじというかこれが本作の全てです。この映画ネタバレのような感覚がありません。

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松竹
引っ越ししてきたある家族の数ヶ月に焦点を当て子供目線から見る大人の世界を描いた作品となっています。双子のような兄弟が転校してきて、新しい学校に馴染む姿から始まります。同じように父親が生きる大人の世界とはなんなのかを子供の目線から描くことで、とてもほんわかした家族ドラマに仕上がるのです。
 
無声映画ではありますが、皮肉まではいかない、冗談が散りばめられていて、当時の貧しい日本が世界に挑戦していく前夜の殺風景も見所です。
 
ここで小津監督は決して大人の目線から坦々と家族ドラマを描くのではなく、子供なりの気持ちや思いを主体に描くことで家族ドラマ自体に厚みを持たせたような気がしました。

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松竹
双子のような兄弟は父親がずっと偉い人になれと言われていたこともあり、父親のことを尊敬し、偉い人だと思い込んでいました。しかし実際は金持ちの友達のお父さんにペコペコ頭を下げて、機嫌取りをしていたため失望と共に何らかの矛盾を感じてしまいました。
そこで強く父なりの家族の守り方に真っ向から対立した彼らは数日間ご飯を食べようとしません。しかしお腹の限界がきて、コソコソおにぎりを平らげていると、父親が話し始めたのです。
 
ここで兄弟は子供なりに大人の世界の現実を理解し、改めて父を家族の大黒柱として一目置くのです。特に全編通してなにも起こらない映画ではありましたが、こんなに情報の少ない中、感情の変化を描くのが難しいと言われている子供の目線から彼らの成長を描く作品に僕は感激しました。
なんせ父を認め、現実の世界に溶け込んで行く彼らの最後のシーンは見ものです。世界の小津の初期作品としてこれから確立される独特の映画スタイル、小津調の前線を垣間見れるのです。古い映画ではありますが、ぜひご鑑賞下さいませ。
びぇ!
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